ライトノベル 紅 レビュー

タイトル
著者 片山憲太郎
イラスト 山本ヤマト
出版 スーパーダッシュ
発売日 2005年12月


執筆者:jade 評価:
揉め事処理屋を営む高校生・紅真九郎の元に世界屈指の大財閥の令嬢・九鳳院紫(7歳)を守るという依頼が舞い込んできた。
強引な恩師によって詳しい事情を聞かされることなくその依頼を受けることになった真九郎は、彼女のわがままに振り回されながらも騒がしい共同生活を送ることになる。それは束の間の平穏。
依頼の裏に隠されたすべての真実を知ったとき、物語は暗転し、少年は一つの決意を胸に立ち上がる───
第3回スーパーダッシュ小説新人賞受賞作「電波的な彼女」の世界観を引き継いだ片山憲太郎待望の新シリーズは7歳の少女をヒロインに据えた異色のボーイミーツガールストーリー。

ネガティブな世界観、救いようのない事件の数々、そして心に闇を抱えた“弱い”主人公。
負の要素に満ち溢れたこの作品はバッドエンド至上主義者の私にとって心地よいことこの上ないですね。
その闇によって、正逆に位置する穢れを知らないヒロインと強くて個性的な女性陣がより一層輝くことになるのもポイント。
「陽=女性、陰=男性」という普通の物語とはまったく正反対のキャラ配置が新鮮であり心地よくありますね。この作風がこの著者最大の魅力と言ってもいいでしょう。

戦闘描写の弱さが今後の課題ではありますが、相変わらず文章力・構成力は新人としては群を抜いているし、キャラの魅力も十二分にあるので安心して読めますね。
前作よりもシリーズ向きな作品だけに今後もより一層の期待が持てる作品でしょう。


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